リリスに眠る私という存在

感受点

私って一体誰なんだろう?
人生の中でそんなふうに
感じたことはありますか。

思春期に上がる前
まだ幼少の頃に
自分の存在を意識し始めます。

自分を取り巻く人々
家族や学校の先生、友人たち
私は確かにここにいるけれど
死という概念も理解して
いずれ死んでしまうことも
知ることになる頃です。

強烈な自我の芽生えというよりも
まだおぼろげながらに感じる
自分という存在の不思議さ。

大人になればそれが
明確になるようで
実際にはそうでもなく
理想と現実の自分の
乖離に悩んだり

いつまでたっても
自分がよく分からないという
得体の知れない違和感を
持っている人もいるでしょう。

思っていたこととは
全然違うことをやったり
突拍子もないことを
言ってしまったり
自己矛盾は誰にでもあります。

自分でも気がついていない
もしくは気づいていても
見ないふりをしている
触れたくない部分は
タブー、心の中の闇として
月の遠地点(ブラックムーン)
リリスで示されています。

リリスは女神としての神話でも
その象意でもネガティブで
刺激的な言葉が並ぶため
少し怖い存在なのですが
リリスを知ることは
抑圧からの解放と
成長を意味しています。

リリスの神話

アダムとともに土よりつくられた最初の女性で,彼の妻。淵源(えんげん)はバビロニアの民間伝説にさかのぼり,ユダヤ教典タルムード中に見いだせる。預言者エレミアの処女の母ベン・シラが語ったと言われる話では,リリスはアダムとの間に多くの悪魔を生んだがアダムに従わず,のろいの言葉とともに紅海に飛び去って隠れるが,3人の天使が主の命令で捜し出し,毎日彼女の子ども100人を殺すと脅迫する。リリスは許しを請い,その代りに人間の赤子を苦しめる力を得る。

リリスは古代バビロニアの
夜の女王、大地母信仰として
知られていました。

ユダヤ・キリスト教が
主流になった時代では
異教徒の多神教や
女神の存在は排除されます。
都合の悪いものは
悪にされるというわけです。

リリスとは

そもそもここで述べている
リリスとは天体ではなく
計算で出された感受点です。
※小惑星リリス(小惑星番号1181)とは異なります。

月が公転軌道上で地球から
最も遠くなる点で
月の遠地点の位置は天球上を
約 8.85年で順行1周します。

軌道上、一番遠くにあるため
地球との結びつき(引力)が
弱まるポイントです。

つまり理性や秩序といった
自分を律しているものの
箍(タガ)が外れやすいと
考えられます。

月が暴走するイメージです。
では、月が暴走するというのは
具体的にどういうことなのか。
月の意味を見ていきましょう。

月の解釈

月の象徴
感情、記憶、過去、
無意識、習慣、受容性

月はすべての女性天体や
小惑星の表現の基礎
(女性性の元型)でもあります。

神話の女神は月の位相に合わせて
複数存在します。

満ちていく月はアルテミス(処女)
満月はセレネ(母親)
欠けていく月は闇夜のヘカテ(老婆)

月は太陽の表現に対して
形と構造を与えるもので
すべての衝動を具体化させます。
太陽は霊(スピリット)に対して
月は魂(ソウル)なのです。

これらを考えると
チャートの中で
どの天体も等しく
見ていく必要はありますが
やはり月の存在は重要です。

明確な目標意識を持つ
太陽の受け皿、容器となる一方で
それ自身は公転周期により
姿を変えていきながら
女性性の元型であり
小惑星を含む女性天体を
司るという存在なのです。

リリスの象徴するもの

リリスの象徴
禁忌、暴力、服従拒否、
変態、去勢、オーガズム
エロティシズム、不妊、
サディズム、残酷、反骨

月=感情、無意識は
私たちにはコントロールが
できないものです。
リリスによって
それらが暴走すると
宗教上では悪とされる
性的なものが浮かび上がります。

悪霊とされたリリスの後に
アダムの後妻になったイヴも
誘惑する存在なので
もはや女性は悪者です。

キリスト教では私たちは
生まれながらに
罪を負っているという
考えに基づいているため
性的快楽などもってのほか
ということでしょう。

リリスが男女関係、
特に性的な意味で
重要視されるのは
そのためです。

頭では道徳的に良くないと
わかっているのに
どうしても離れられないとか
惹かれてしまうとか・・・

心の結びつきよりも
肉体的な関係の方が
どうしようもない場合が
あるものです。

リリスの出し方

月の動きは不規則かつ逆行も
繰り返しますので
算出方法が二つあります。
トゥルー(真値)
ミーン(平均値)です。

これは個人差があるのですが
トゥルーとミーンの値が
ほとんど変わらない人もいれば
サインもハウスも変わる人もいます。

ではどちらを採用するかですが
実際にその位置に
天体があるわけではなく
月が通るわけでもありません。
あくまでも算出方法の違いです。

シナストリーチャート(相性)で
自分のトゥルーとミーンの間の領域に
相手の天体が入ってくる場合
リリスとの関係性を
考慮することもできますので
トゥルーとミーンの二つとも
出してみることをオススメします。

Astrodienstにアクセス

「出生データによる、さらなるチャート選択」より

一番下の「その他のオブジェクト」よりリリス(Lilith)を選択(ミーン)

一番右下のボックスにh13と手入力(トゥルー)

クリックしてチャートを表示

チャートにリリスが表記されます。

Lilith symbol.svgこの記号が出ているのがミーンで

Lilith (o) と書かれているのがトゥルーを表しています。

リリスが位置するサインと
ハウスについては
別の記事で解説します。